当院の投薬ポリシー



当院では、原則として先発薬の院内処方を行っています。後発医薬品は、先発薬が製造中止
になるなど、やむを得ない場合のみ使用し、原則として採用していません。
後発医薬品に関しては、国の医療費削減政策に則って病院を中心に採用が増えてきており、
また一部の後発薬製造メーカーからは、全く先発品と内容が同じで値段が安いなどと、活発に
宣伝が行われているのはご存知のことと思います。

しかし、本当に全く先発医薬品と同じものなのでしょうか。

私の先輩・同僚医師に聞いても、後発品に対し肯定的な印象を持っている医師は多くありませ
ん。その原因については色々な検討がなされていますが、医師が後発薬に対し持つ不信感の
原因は、簡単に書きますと「効かない」「副作用が出る」という点に尽きます。

私自身の経験でも、後発品には良い印象を持っていません。患者さんから、後発品に対するク
レームを聞いたこともあります。使ってみて、効果を実感出来ないこともありました。これは後
発品メーカーの指摘するように、単なる私の先入観に過ぎないのかも知れません。しかし彼ら
が主張する同等性試験のデータは、私の先入観を覆すだけの説得力を持ち得ませんでした。

また後発品の唯一のメリットである、価格の安さは、現行保険制度のもとではあまり患者さん
にとってメリットのあるものではありません。たとえば、内科的慢性疾患で、1万円の医療費が
かかったとして、薬剤の費用は約3000円ー4000円程度です。薬を後発薬に切り替えて節
約出来る医療費は薬剤費のうちのせいぜい2−30%にすぎず、窓口の自己負担金の差額は
数百円に過ぎません。たった数百円を節約するために、安全性を犠牲にする気にはなれませ
ん。これが現在の私の偽らざる気持ちです。

今後、定額払い制など、医療制度が大きく変化した場合は、このポリシーを変更するかも知れ
ませんが、当分の間当院では先発薬を処方致します。

また、院外処方に関しても、スピードを求める当院の患者さんにとって、2度待たねばならない
意味合いはほとんどないと考えています。もちろん、希望される場合は院外処方箋を発行致し
ますが、昨年の実績では、院外処方箋を希望された患者さんはお一人だけでした。


なお、後発医薬品に関してご興味がある方はこのページを参照されると良いと思います。

http://d-inf.org/drug/index_14.html

(2004.9.1)

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